天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

「実際に入ったお客さんに訊いたら、顔面血塗れの女のモンスターが追いかけてきたって…」

「顔面血塗れの女のモンスターっ?」

首を傾げるおんこ。

このお化け屋敷に待機しているお化け役の扮装は、吸血鬼、狼男、魔女、首なし騎士だけだ。

他には存在しない。

「それで…その女のモンスターが本物のお化けだとっ?」

「うん…お化け役のクラスメイト全員に訊いても、そんな格好した奴は誰もいないっていうから、逆に怖がっちゃって…」

確かにそうなると、誰か部外者が侵入しているか、彼らの言う通り本物のお化けが紛れ込んでいるという事になる。

天神学園にはその『本物のお化け』というのも確かに何名か在籍している。

そういった生徒の悪戯だろうか…。