天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

そうこうしているうちに、二人は誰もいない校舎の屋上へとやってきた。

ここからなら学園の様子が一望できる。

成程、恋人同士にはうってつけのスポットだ。

龍太郎にしては気のきいた場所を選択するじゃないと、うんうん頷く美葉。

「楽しかったわぁ、文化祭案内してくれてありがとね、龍太郎」

「何言ってんだ、雛菊が連れてけってせがんだんだろが」

「そんな事言ってるけど、龍太郎は優しいから連れてってくれるのよね~?」

(むむむ…)

なんかイチャイチャいい雰囲気。

隠れて見ている美葉としては、いたたまれない。