天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

龍太郎と雛菊は、どんどん人通りの少ない方向へ。

繋いだ手は、いまだに握り締めたまま。

どちらかと言えば、一方的に雛菊の方が引っ張っている感じだ。

(雛菊さんの方が主導権を握ってるのかしら…姉さん女房っぽいし…龍太郎尻に敷かれてるのかしら?ぷぷぷ、ダサッ)

多分に個人的感想が入ったメモを綴る。

そんな事をしている間も、二人の会話は続く。

「いい学校ねぇ、天神学園って。私もここに入学すればよかったなぁ」

「止せよ、お前と一緒の学校なんて恥ずかしいだろ?」

「あら、私がそばにいるとドキドキしちゃう?」

「アホか」

「ふふふっ、そんなに照れなくてもいいのにぃ」

スペシャルバカだが凶暴な龍太郎をここまで容易くあしらうとは。

(雛菊さんっ、なかなかの使い手と見たっ!)

一人興奮する美葉。