天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

「白神 月、ソフィア・ローズ、七力 迦楼羅、玖宮 天眞、名神 きょうこ、城山 小夜、神凪 芽々、藤原 月姫、佐伯 雪菜、一条 璃月、円香 雲雀、エイラン・リーニア、因幡 舞白…」

天神学園の美少女生徒の名をズラリと並べ、女子生徒達はヨヨヨと泣き崩れる。

「看板娘になりそうな人達は、みんな断って逃げていくの!」

「だから何がよ!」

「メイド喫茶よ!我がクラスの出し物のメイド喫茶に必要な看板になる可愛い女の子のメイドを、誰も引き受けてくれないのよ!」

……メイド喫茶など、既に流行遅れである。

今時『いらっしゃいませご主人様』などと、みっともなくて言えない。

「私だって嫌よ!こんなヲタクが喜びそうな格好するなんて!」

まくし立てるアリスカに。

「アリスカちゃん」

一人の女子生徒がボイスレコーダーを再生した。

そこから流れるのは。

『私も生徒として、一肌脱がなきゃならないのかしら…』

呟くアリスカの声だった。