天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

(えーと…)

台本を捲る遥。

舞台の袖に引っ込む度に、何とかそのシーンの台詞だけでも少しずつ覚える。

首の皮一枚だけを繋ぎとめる。

綱渡りのような演技。

今度トチったら生徒会長に刻まれる。

普段試験勉強でも、こんなに必死で暗記した事はないというのに。

やはり死に物狂いになれば、何でも出来るものだ。