天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

舞台は粛々と進行していく。

どうにかプレッシャーにも耐え、だくだく汗を流しながらも演技を続ける遥。

「こんなに汗を…熱演して下さっているのですね、皇帝。我が演劇部の為に…!」

凄くポジティブな感じで誤解する部長が、舞台の袖に一旦下がった遥の前で嗚咽する。

勿論そんな筈はない。

冷や汗と脂汗に他ならない。

それでも舞台を無事終えたい一心で。

いや、正確には『死刑台から生還したい一心で』。

遥はヘタレなりの根性を振り絞る。