天神学園高等部の奇怪な面々Ⅵ

そのプレッシャーのせいで。

「っ……!」

何という事だろう。

何とか辛うじて覚えていた一番最初の台詞を、完全に忘れてしまう遥。

頭の中は完璧に空白。

台詞の最初の一文字が『あ』なのか『い』なのかさえ、欠片も破片も粉末さえも出てこない。

…ざわめき出す客席。

多くの生徒達が遥を見ている。

『貴方…』

ザワッ、と。

生徒会長の長い白髪が逆立っていくように見えた。

『その舞台を墓標にしたいようですね…』

(げぇむおぅばぁああぁああぁあっ!)

涙目で遥が声にならない声を上げる。