同じ舞台袖では、演劇部の1年生部員の女子生徒がスタンバイしていた。
彼女はほんの脇役。
台詞すらない端役に過ぎないが、初舞台という事で酷く緊張している。
先程から手の平に『人』を三回書いては飲むを繰り返す。
「そんなに緊張するな」
部長が(自分も超脇役の癖に偉そうに)女子生徒をリラックスさせる。
「君はまだいい方だ。僅かな時間舞台に立っているだけだろう?そんなに緊張してどうする。皇帝を見ろ」
遥を指差す部長。
「わぁ…」
女子生徒が羨望の眼差しで遥を見つめる。
「私と同じ初舞台なのに、堂々たる立ち姿…微塵も動揺しておられないわ…やっぱり下々の民の上に立つ方は違いますねぇ…見習わなくちゃ…」
そんな憧れと恋慕の視線で見つめられる遥は。
「……」
緊張のあまり立ったまま気絶していた。
彼女はほんの脇役。
台詞すらない端役に過ぎないが、初舞台という事で酷く緊張している。
先程から手の平に『人』を三回書いては飲むを繰り返す。
「そんなに緊張するな」
部長が(自分も超脇役の癖に偉そうに)女子生徒をリラックスさせる。
「君はまだいい方だ。僅かな時間舞台に立っているだけだろう?そんなに緊張してどうする。皇帝を見ろ」
遥を指差す部長。
「わぁ…」
女子生徒が羨望の眼差しで遥を見つめる。
「私と同じ初舞台なのに、堂々たる立ち姿…微塵も動揺しておられないわ…やっぱり下々の民の上に立つ方は違いますねぇ…見習わなくちゃ…」
そんな憧れと恋慕の視線で見つめられる遥は。
「……」
緊張のあまり立ったまま気絶していた。


