(ハメられたっ…!)

今頃気づいたかのように。

遥は舞台衣装のまま頭を抱える。

(台詞全然頭に入ってねぇええ…てかストーリーいまだによくわかんねぇえぇ…)

だって台本読んでたら、難しすぎてどうしても眠くなるのだ。

(今から『お腹痛いから早退していいか』って言ったら許してくれるかなぁ…如何にも過ぎてわざとらしいかなぁ…)

何とかこの場から脱する方法を考える遥。

(じゃあ法事だから帰るってのはどう?)

ピタリと動きを止めて。

(宇宙人の法事って何だよぉおおぉっ、里帰りに銀河系の彼方まで行くのかよぉおおぉ…)

また頭を抱えた。