(ストーリー重っ!難しっ!長っ!だるっ!)

改めて台本を読みつつ、遥は内面でツッコむ。

こんな長ったらしい演劇、天神学園の生徒が受け入れるのか。

というか演劇素人の遥にこんな演劇の主役をやらせるとは部長も何を考えているのか。

「ち、ちなみに…」

遥は部長に訊ねる。

「部長は何の役をやるのだ?」

「はい、僕は『町民C』です」

(町民かよっっっっっっ!)

台詞があるかどうかも怪しいスーパー脇役だ。

しかも町民AならともかくCとは何事か。

部長の威厳ゼロである。

(っていうか、お前実は部長じゃねぇだろっっっ!)