それは、文化祭が始まる一週間前の事。

夏休みの登校日で天神学園に来ていた遥は。

「皇帝!」

一人の男子生徒に呼び止められる。

「お忙しい所失礼しますっ、僕は演劇部の部長を務めておりますっ…」

酷く緊張しているのか、声が震えている部長。

「落ち着け。そんなに硬くならなくともよい」

さりげなく気遣いを見せる遥。

「で?俺に何か用か」

「はい、実は…」

部長は恐縮そうに切り出す…。