「ゆい…生きてますか?」


うつろな目に、
手にはさっきもらったパンの袋。


教室のドアを開けると、
愛と渚が勢いよく駆け寄ってきた。


さっきまでのゆいが思い出せないほど、
ゆいの髪は乱れ息が荒っぽい。

(↑実は、まだ迷ってた)






「あーあー…あ?」



という意味の分からない音声まで、
発し出す始末。


2人のポカンと開いた口からは、
吐く息しか出てこない。




「ゆ、ゆい…?」


「ちょ、ちょっと落ち着いて?」






「お、お、落ち着けるわけ…ぐあっ」






息を切らした真っ赤な顔が、
一瞬にしてぐしゃっとつぶれる。



ふらふらのゆいの後ろから、
何かがぶつかりゆいの身体が揺れた。







もちろん、
その何かは言わなくても分かるだろうけど






…あの“腹黒ナルシくん”ですよ。