家を出ると、その光りの眩しさに思わず目を細めた。

ジリジリと肌を焼く太陽



後ろを振り返る。

あたしの部屋の窓が見えた。


きっとあたしがいない今も、奴は自分の美貌のことしか頭にないだろう。


まったく迷惑な話だ。


あたしは前を向いて歩きだした。

額に汗が滲む。





あんな奴の傍にいられるのなら

一生独身、そんな人生もいいかもしれない。



あいつは鏡の中のあいつを

あたしは鏡を見つめるあいつを



マブノーマルで儚い恋。



なんだか素敵で、わくわくするじゃん。
















【 鏡の中の和也くん fin. 】