だけどまさかだった。 それはそれはまさかだった。 この妄想が一瞬で崩れることになるとは。 待ち合わせの公園につくと、既に昆野くんが待っていた。 昆野くんがあたしに気付いて手を振る。 あたしも振りかえした。 その時に気付いた …なんだか不自然な様子だ。 「おはよう清水さん」 さっそく爽やかな笑顔を繰り出してきた。 ま、まぶすぅいー ってそんな場合じゃない。 「…昆野くん」 「ん?」 「それ、どうしたの」 「え?」 「……山でも登るの?」