「い゙っ゙っ゙!」


奴はうめき声をあげ、すぐさま内股になってあたしを見てきた。

赤くあとのついたケツを撫でながら。



「なっにすんだよ、奈帆!リモコンは投げるもんじゃねえって、何度言ったらわかるんだ!」


よく見れば涙目。

やはりリモコンは相当痛いらしい

そんな顔で怒鳴られたって全く迫力がないという



「それはこっちのセリフ。和也、全裸で人の部屋入んなっていつも言ってんでしょ」


「だってさ、奈帆んちしかねえんだもん、全身鏡」


「…いい加減自分で買いなさい」



あたしはスクバをそのあたりに放り投げると、クローゼットからバスタオルを取り出した。


それから立ったままあたしを睨む和也にかぶせてやった。


和也のこの、全裸で鏡の前でポージングという訳のわからない癖がついてから、あたしの部屋には欠かさずバスタオルが常備されている。