×真夏の[変態]恋伝奇×





「あの、昆野くん。さっきはホントにごめんね」


ようやく落ち着いて来たから、もう一度きちんと昆野くんに謝った。


だってあの蜘蛛さえ落ちて来なければ、今頃カブトムシはカゴの中だったんだ。

よりによって、あたしの肩に落ちなければ。


「清水さん、まだ気にしてたの。そんな責めなくてもいいよ。蜘蛛が落ちてきたら、誰だってびっくりするんだから」


そう言って昆野くんは笑った。

あの王子様スマイルで。


「それに」


「ん?」


「…必死で叫ぶ清水さんも、可愛かったし」


「えっ…」


か、か、可愛い!?

ここでまさかの可愛い発言キタ!


妄想していたシチュエーションとはちょっと違う感じだけど!

というかあたしの悲鳴に可愛げなんかあったのか?ってちょっと疑問が残るけど!


にっこり笑って言う昆野くんを見ると、きっと誉め言葉として受け取っていいんだよね。


昆野くんは優しい。

その優しさにつられて、ずっと不思議に思っていたことを聞いてみることにした。


「昆野くんは、どうしてあたしと付き合おうと思ったの?」