「あの、昆野くん。さっきはホントにごめんね」
ようやく落ち着いて来たから、もう一度きちんと昆野くんに謝った。
だってあの蜘蛛さえ落ちて来なければ、今頃カブトムシはカゴの中だったんだ。
よりによって、あたしの肩に落ちなければ。
「清水さん、まだ気にしてたの。そんな責めなくてもいいよ。蜘蛛が落ちてきたら、誰だってびっくりするんだから」
そう言って昆野くんは笑った。
あの王子様スマイルで。
「それに」
「ん?」
「…必死で叫ぶ清水さんも、可愛かったし」
「えっ…」
か、か、可愛い!?
ここでまさかの可愛い発言キタ!
妄想していたシチュエーションとはちょっと違う感じだけど!
というかあたしの悲鳴に可愛げなんかあったのか?ってちょっと疑問が残るけど!
にっこり笑って言う昆野くんを見ると、きっと誉め言葉として受け取っていいんだよね。
昆野くんは優しい。
その優しさにつられて、ずっと不思議に思っていたことを聞いてみることにした。
「昆野くんは、どうしてあたしと付き合おうと思ったの?」
