昆野くんはいろいろ教えてくれた。
カブトムシ取りは夜の方がいいとか、木の幹がどーのだとか樹液がなんとかだとか。
だけど知識のないあたしには正直さっぱりだ。
ただ
いろいろ教えてくれる昆野くんの顔は、学校では見たことないくらい生き生きしてて、なんだかドキドキした。
「本当に虫が好きなんだね」
知識がなくて理解もできなくても、それだけはあたしにもわかった。
「うん。すごく好き。清水さんもきっと、好きになってくれると思うよ」
「…そ、そうかなぁ…」
どうだろう。
うん、たぶん無理だろう。
最初はなかなかカブトムシらしきものは見つけられなかった。
林の中をぐるぐるぐるぐる。
しかし
しばらく歩いていくと、少し遠くに黒いモノが見えた。
