×真夏の[変態]恋伝奇×




昆野くんはいろいろ教えてくれた。


カブトムシ取りは夜の方がいいとか、木の幹がどーのだとか樹液がなんとかだとか。


だけど知識のないあたしには正直さっぱりだ。


ただ

いろいろ教えてくれる昆野くんの顔は、学校では見たことないくらい生き生きしてて、なんだかドキドキした。


「本当に虫が好きなんだね」


知識がなくて理解もできなくても、それだけはあたしにもわかった。


「うん。すごく好き。清水さんもきっと、好きになってくれると思うよ」


「…そ、そうかなぁ…」


どうだろう。

うん、たぶん無理だろう。



最初はなかなかカブトムシらしきものは見つけられなかった。

林の中をぐるぐるぐるぐる。


しかし

しばらく歩いていくと、少し遠くに黒いモノが見えた。