✚祐菜side✚ しばらく、静かに波の音を聞いていた。 夜の海は、真っ黒で何も見えなくて 吸い込まれそうだった。 「・・・行くぞ」 低く冷たい声が響いた。 「うん」 "なぜ来たか分かるか?" ・・・分かんないよ。 "その内分かる" ・・・いつ、分かるの? ねぇ、なんか・・・ 不安だよ。 怖いよ。 華夜・・・早く来てよ―――――――