キキィ――― 金で縁どられた校門の前に 車は堂々と止められる。 一歩降りれば―――― 「姫、ご機嫌麗しゅう」 「今日もお美しいですわ、姫」 「姫のお通りだぞ!!」 学校に着けばいつもこう。 あたしは別に こんな風に過ごしたくなんかないのに。 「御機嫌よう、皆さん」 にっこり微笑んで 今日も一日が始まる。