小さな腕がわたしの背中に回され、次第に力が込められてきた。


「ミク……」


わたしの名を呼ぶ、その小さな声が不思議と心地よかった。

それは、わたしの存在を確かめると共に、わたし自身の存在を確かめる為の声だった。


「わたしがダイチの傍にいる」


「僕もミクの傍にいる」


わたし達はお互いを必要としていた。



それこそ、永遠の思う壺。


だが、この成り行きは必然だったのだ。