確かに、風の産んだ他の二人の子は新人類なのだ。

むしろ、ここではわたし達地球人の方が希少と言える。

いくら、今までの長い地球人の歴史をこの幼い大地に語って聞かせたとして、それが慰めになるとは思えなかった。


わたしは途方に暮れた。


俯いた大地の足元には、小さな水たまりができていた。

この子は今まで、ひとりでこの大きな矛盾に立ち向かってきたのだ。


「わたしがいる。

わたしが、ダイチの傍にいてあげる。

そしたら寂しくないでしょう?」


わたしは、そう言って大地の小さな身体を抱きしめた。



大地の身体からは甘酸っぱい不思議な匂いがした。