「比べる必要はないんじゃないかしら」
わたしの考えを汲み取ったように、風が呟いた。
「確かにわたし達の方が繁殖力が強いわ。
でも……、ハクを見ていて思ったの。
ゆっくり大人になるのも悪くないんじゃないかなって」
「ハク?」
「あぁ、ハクヤのことよ。私たちは皆、彼のことをハクと呼んでいるの。
ハクは疑い深い男よ。
わたし達に偽りのないことを知った上で、それでもその先を疑ってかかる。
だから彼はミテラを脱出したのね。ミテラの持つ偽りの真実を見抜いたのよ。だから彼は今ここにわたし達といる。
その先を見極める為に」
「その先を……」
「彼はわたし達が受け取ったテラの教えを、彼の言葉で理解した。
そしてまたそれを疑ってかかってる」
そう言って、楽しそうに空は笑った。
疑うことを教えられなかったわたし達人類の中にあって、自ら疑うことを学んだ白夜という男。
彼が見た、その先の未来にわたしは興味を惹かれた。


