目を開けるとそこには、眩いばかりの金髪で、黒い肌、黒い瞳の美しい女性がいた。


不思議なことに、わたしはまだ生きているらしい。

「いかにも、わたしは地球人。

地球未来(チキュウミライ)NO.13だ。

あなたは?」

まだ朦朧とした意識の中、わたしは問いに答えるべく口を開いた。

「わたしは、宇宙永遠(ウチュウトワ)。

お前の名には、何故ナンバーが付随しているのだ」

「ミテラでは、女性の名は未来と決まっている。

わたしはその13番目に生まれた」

女性の姿をした永遠のことを、わたしはすっかり自分と同じ地球人だと思っていたのだが、どうやら違うようだ。

「なんと馬鹿げた、愚かなことを」

永遠はそう呟くと、蔑むようにわたしを見た。

「お前のその馬鹿げた緑の皮膚も同じように理由があるのか?」

「これはわたしの身を守るシールドスキンだ。

緑は蛋白質に含まれる葉緑体。この色素のお陰で紫外線から身を守れる」

「愚かな……」

「現にこうしてわたしは生かされてここにいる。それが何よりに証拠だ」

「確かに、ハクの言う通りだな……」

そうした会話の間も、彼女はわたしの周りを忙しく動きまわり、わたしの身体の状態をチェックしているようだった。

「ここではお前を未来(ミク)と呼ぶことにしよう。

ミクは一人で十分だ。ナンバーは必要ない」

永遠はわたしの顔を覗き込み、そう言った。

その瞳に、もはや蔑みの色は無かった。