「実桜」


「翔琉...」


「ちょっ!!実桜!?」


体の力が抜けてしゃがみ込む


「えへへ...力が...抜けて...」


「実桜、大事が話があるの。よく聞いてね?」


「うん...」


聞く気力もなく、頷く


「あたし、今まで秘密にしてきたけど...実桜にもヴァンパイアの血が流れてるのよ」


「...は...?」


あたしに...ヴァンパイアの血...?


「でも...特別な血が流れてるって...」


「ヴァンパイアによってその血が他のものになることだってあるの。実桜自身がそれを開花しないように押さえつけてるだけであって...」


「嘘だ!!!」


あたしは叫んで、外へ出る


あたしはとにかく走って、走って...


どこか分からなくなるくらいまで走った


あたしが...ヴァンパイア...?


そんなこと、絶対ないもん


頭を振って歩き出す


どこか分からない道を...


...走りすぎたかな...?


けど、誰も来てないし...


後ろを振り返ってガッカリする


誰も...来てはくれない...


まあ当たり前か...