命〜失って気付くモノ〜






……私達はその後1時間くらい思い出話で楽しんだ後ホテルを出た。




そして家まで送ってもらい部屋に入ると私はすぐに海斗に電話をした。




時刻はすでに深夜1時を回っていた…





プルルル…



ガチャッ…




『もしもし?起こしちゃった?ごめん。今バイトから帰ったから。』



海斗は寝起きの声で


「おかえり!遅かったな〜」


『うっうん…。ほら、今卒業シーズンでしょ!?だから打ち上げとかをカラオケ屋でする人が多くてさ。団体さんの予約とかいっぱいで…』



私が咄嗟に嘘をつくと、海斗は全く疑う事もなく


「そっか〜大変だったなぁ!お疲れ!!」




そんな海斗に少し罪悪感を感じたものの、これは【愛情】ではなくただの【情】だと思った。




そして、


『疲れたからもう寝るね。おやすみ…』



そう言って電話を切ると、私は

バタッとベットに倒れ、枕に顔を埋めた。