「透達は
ゆっくり
見られてるかな?」

今日は
お花見が初めてって
言ってた龍也先生に
楽しんでもらわなきゃね。

「李雄は
家族でお花見
来たことある?」

何気なく聞いてみた。

「中二までは毎年来てたな
中三からは
受験だなんだで
来なくなったけどな」

「桜香は?」

やっぱり
聞き返されるよね。

「僕は毎年、
うちの家族と
透の五人で
来てたんだよ」

透のお父さんは
出張が多いから
子供の頃から
毎年イベント事は
五人でして来た。

ー李雄視点ー

龍也達を見送って
今は桜香と二人っきり。

久しぶりだよなと
思いながら弁当を
広げようとしたら
いきなり桜香に
抱き着かれた。

「桜香!?」

何の前触れもなく
抱き着かれて
驚いてたら、
桜香が頬を赤くしながら
「二人っきりって
久しぶりで
抱き着きたくなったの」と
言って来た。

確かに久しぶりだなと
改めて思ったら
無意識に笑顔で
抱きしめ返してた。

周りはお花見客で
いっぱいだけど
気にしない。

だって、久々の
外でのデートだからな。

「透達は
ゆっくり
見られてるかな?」

未だに抱き着いたままの
桜香が言った。

そぉ、さっき
透達を行かせたのは
二人っきりで
ゆっくりして欲しかっからだ。

お花見が初めてだって
言ってた龍也に
楽しんでもらわな
きゃいけないからな。

「李雄は
家族でお花見
来たことある?」

二人の心配をしてたら
何の前触れもなく訊かれた。

「中二までは毎年来てたな
中三からは
受験だなんだで
来なくなったけどな」

普通の家よりは
多分仲が
良かったと思う。

「桜香は?」

聞き返してみた。

「僕は毎年、
うちの家族と
透の五人で
来てたんだよ」

そぉ返事が返って来た。

そぉ言えば
透ん家は
父子家庭だったな。

片親ってのも大変だよな……

桜香と透は
幼馴染みって言うより
家族なんだなぁ
なんて思った。

何時か、俺も
桜香の家族の一員に
なりたいと思った。