夏休みに講習だなんて
めんどくさい。

午前中で終わりだが
俺はすぐに
屋上に行くと決めていた。

俺が屋上に
行こうとしたら
担任が何か
言っていたが
そのまま
屋上に向かった。

当然のことながら誰も居ない。

龍也は自分のクラスに
間に合ったのだろうか?

後で聞いてみよう。

人目の付かない
所まで行き
ブレザーを丸め
枕代わりにして寝転んだ。

空は雲一つない晴天。

龍也と見たかったなぁ

今は授業中だから
無理な話しだ。

俺は目を閉じて
寝る事にした……

何時間くらい寝て
居たのだろうか?

目を覚まして横を見ると
龍也が居た

「龍也、
何時から居たんだ?」

「ほんの十分くらい前ですよ」

何で起こさないんだ?

「起こしてくれりゃ良かったのに」

屋上で堂々と
寝てる生徒を起こさずに
見ているだけって
本当に教師か?

「あまりにも、気持ちよさそうに
寝ていたので起こすのが
忍びなかったんですよ」

良くこれで
教師が務まるよなと
思った事は
龍也に言わないでおこう。

きっと拗ねるだろから。

年上だがちょっと
子供っぽいところがある。

「そぉか、有難うな」

「いいえ」

「そぉいや、
俺達しか居ないのか?」

屋上には誰もいない。

「はい」

「そぉか。

じゃぁ、龍也も
寝転んでみろよ
空が綺麗だぜ」

さっきは無理だと
思ってたけど
願いが叶ったな。

「でも……」

スーツが汚れる事を
気にしてるのか?

「ほら、これなら
スーツ汚れないだろう?」

「透のブレザーが汚れますよ」

いいからと渡した。

さっきまで、枕代わりに
してたくらいだから
別にいい気にしていない。

「そぉですか、
じゃぁ、お借りしますね」

律儀だな。

「ぅゎぁ~ 雲一つ
ありませんね」

龍也が
喜んでくれてよかった。

「綺麗だろう?
龍也に見せたいと
思ってたんだ」

感動してくれてよかった。

「透と見れて嬉しいです」

だから、
その笑顔は反則だ……

「時間良いのか?」

俺はこのまま
サボりを続行するつもりだ。

「次は授業ないですから
透はずっと
此処に居るつもりですか?」

「そのつもりだ
俺が此処に
居る事は秘密な」

「分かってますよ」