「悪いんだけどさ、
今日行けなくなった」

「はぁ!? なんだそれ」

普通はそう思うよな。

「ちょっと
急用が出来たんだ。
さっき、母さんから
電話があって
早く帰って来いって
言われちゃってさ」

遠野は家の
家庭環境を知らないから
バレないだろう。

「分かった。
家の用事じゃ仕方ないな。
その代わり、
明日何か奢れよ」

「分かった。
正し、千円以内な」

「おぅ」

「じゃぁ、おれ
帰るからまた明日な」

電話を切って
龍也の方を向く。

「これで良いか」

「えぇ、
有難うございます」

龍也は満足そぉな
顔をしていた。

一生、龍也に
勝てない様な気がした……

いや、好きな奴に
あんな事言われて
断る奴が居るなら
是非とも会ってみたい。

まず居ないだろうけどな。

「透、一緒に帰りましょう」

嬉しそうだ。

「龍也の車で
送ってくれるのか?」

もう少し、一緒に
居たくて言ってみた。

「良いですよ」

龍也の笑顔は
ある意味(俺限定で)
反則だ//////

年上のくせにカワイイ……

「そぉだな」

あくまでも平静を装って
返事をした。

家の前まで
送ってもらった。

「送ってくれて有難うな」

抱きしめるのは我慢した。

「これくらい良いんですよ」

だから、それは反則だ。

「なぁ、龍也、
付き合うのは
夏休み明けで
良いんだけどさ、
もしその龍也が
迷惑じゃなかったら
学校まで会いに
行っても良いか?」

「私は、嬉しいですけど
折角の夏休みなのに
態々良いんですか?」

「あぁ
じゃぁ、夏休みは
そぉいう事で
じゃぁな、また明日」

「はい、また明日」

「気をつけて帰れよ」

心配だ。


「車ですから、
大丈夫ですよ」

「こっちが気をつけてても
信号無視してくる奴とか
後ろからぶつかってくる
奴とか飲酒運転とか
色々あるから
用心して帰れってこと」

どんな馬鹿が
居るかわかったもんじゃない。

「ご忠告
有難うございます。
じゃぁ、おやすみなさい」

「おやすみ」

透の車が
見えなくなったのを
確認して家に入った。