「『少し、遅れるから
食堂に居てくれ』」

~送信~

アド交換したのは
当然、体育館でだ
理由は単純。

待ち合わしの時に
便利だからだ。

透、何故あの時
一緒に来て
くれなかったんですか」

「遠野に
呼び止められたから」

といのは単なるこじつけ。

「授業サボってるのに
一緒に行ったら龍也が
咎められるだろ?
本当は、凄く
心配だったけどさ……」

「あいつと
二人っきりなんて

誰だって好きな奴が
盗撮する様な奴と
二人っきりで
心配しない方がおかしい」

それは、誰だって
同じだと思うけど、
さっきは
仕方なかったんだ!!

キレ気味の龍也に
俺がキレてしまった。

だってそぉだろ?

咎められるのは
明らかに
龍也なんだから。

「話はそれだけか?
俺、この後
約束があるんだけど」

「誰とですか?」

そうくるよな。

「遠野」

嘘をついても意味がない。

「恋人になる
私より遠野君の方が
大事ですか?」

さっきまで
怒ってた龍也が
今度は泣きそうな
声で訊いて来た。

俺は多分、
龍也の泣き顔や
涙に弱い……

此処は第三会議室
俺は泣きそうな
龍也にキスをした。

誰も来ないし
誰も見て無い
まさに、好都合だ。

「龍也、ゴメンな
これで許してくれ……」

何も言わない龍也。

沈黙が続く……

お互い口を
開こうとしない。

妙な冷や汗が
流れる中、
沈黙を破ったのは龍也だった。

「何故、キスしたのですか?」

解ってて訊いてるな。

「好きだからに
決まってるだろう」

「着い行って
やれなかったのは
しょうがないだろ……
どぉしたら
許してくれるんだ?」

年上だからか、
惚れた弱みか…

「遠野君との約束を
後日にして下さるなら
許してあげますよ。
どぉします?」

龍也の目が笑ってない……

口元だけで
笑ってる不適な笑み。

「分かった、今此処で
電話していいか?」

「構いませんよ。
私しか居ませんから」

携帯をポッケから
取り出し遠野に
電話を掛けた。

「もしもし、遠野?」

「新庄、
なにしてんだよ
早く来いって」