私の名前は
九重龍也と申します。

実は、ある教師に
イジメと言いますか
いびりと言いますか……
とにかく、そんな
類いの事を
この学校に来てから
ずっとされて居るのです。

私がこの学校に
赴任して来て
今年で三年。
ずっとされて来ました……

そんな私は
イジメが二年目に
突入し、更に
悪質なものに
なって来た頃に
透に会いました。

国光先生から
逃げる李雄先生の様に
職員室にも寄らず
教官室にも寄らず
屋上に行っていました。

しかし、その日は
一人では無かった……

何時もの様に
屋上に来た私は
一人の男の子に
会いました。

それが透です

彼は昼寝を
していた様で
眠そうな目で
私の方を向いて
開口一番に
「何かあったのか?」と
来た訊きました。

首を傾げると
彼は「あんた、
泣きそうな顔してる」と
言ったのです。

自分でも
気づかぬ内に
そんな顔を
していたんだと
彼の言葉で
初めて知ったのです。

周りからも
そんな風に
見えてるのでしょうか?

「私、そんな顔
してますか?」

確認してみました。

「あぁ」

そっけなく言った彼ですが
でも言葉とは逆で
目は優しい眼差しを
していました。

「悩みでもあるのか?」

確信をつかれ、
言葉が詰まってしまいました。

「………」

答えたく無い訳じゃ
なかったのですが、
それを
言う事にとても
抵抗があったのです。

バカに
されるんじゃ無いかとか
引かれるんじゃ
無いかとか
そのほか色々、
負の感情が
頭の中に
めぐりめぐって
五分程
黙ってしまいました。

その間、彼は
何も言わず
私の言葉を
待ってくれました。

そして、私は
話す事にしました。

引かれても何でもいい
誰かに聞いて
欲しかったのです。

あの事を……

「私の話
聞いてくれますか?」

誰にも言えなかった
この気持ちを
話したいと思いました。

「別に言いたくなきゃ
言わなくてもいい」

「私が話したいんです」

「分かった」

私は話始めました。

「実は、体育科の
岩滝先生に
その……所謂
いじめと言いますか
いびりと言いますか……
その様な事を、此処に
赴任して来てから、
毎日毎日されてるんです」