「じゃぁ、私の事も
龍也で結構ですよ。
いっそのこと、皆
名前で呼び合いましょう」

「良いなそれ」

便乗してみる。

「でしょ?
決まりですね」

学校では呼べないけど
四人で居る時くらいは
いいと思った。

その後も
沢山色んな
話しをしていたら
時間が迫っていた……

「おや、時間が経つのは
早いですね……」

時計を見て
龍也が呟いた。

「約束通り
家まで送りますね」

「ついでに俺も
送ってくれないか」

栢山先生も
送ってほしいみたいだ。

「李雄もですか」

「あぁ」

仕方ないですねと
言いながら、
どことなく嬉しそうだ。

「良いですよ♪
だだし、二人を
送った後に
なってしまいますが……」

「悪いな」

「友人に遠慮は無しです。

それから、
桜香君
敬語は無しですよ?」

敬語なしと言われ
桜香は慌てた。

「李雄は
分かりますけど
僕もですか?」

「ほら、言ってる傍から
敬語になってますよ?
そぉです
桜香君もです。
分かりましたか?」

念を押され、
たじろぎながらも
次の返事は敬語じゃ
なくなっていた。

「う、うん……」

「そんなに緊張
しなくても、透と
話してる時みたいに
話せば良いんですよ♪」

そう言われてなんとなく、
コツを掴めたみたいだ。

龍也の車の中で
そんな話をした。

着いたのは俺ん家。

桜香ん家は
家から三軒先。

歩いて帰れる距離だ。

車を降りて
龍也に桜香が
礼を言った。

「龍也先生、
今日は有難う
ご飯、美味しかった♪
ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした。
こちらこそ
大したお構いも出来ずに……」

「龍也先生に李雄、
ありがとう。
またね」

桜香が栢山先生の
頬にキスをした。

「じゃぁな」

「メールするね」

そんな会話が微笑ましい。

「待ってる」

「龍也、ありがとうな」

俺も礼を言った。

「いえいえ、
私は李雄を
送りますので
また月曜日に」

「あぁ、じゃぁな龍也」

「はい、また」

こうして、俺達は
家に帰って来た。

俺ん家は
親父が出張の為
真っ暗だ。

「僕も帰るね、
また月曜日に学校で。
おやすみ」

三軒先の自分ん家に
向かって歩き出した。

「おやすみ」

桜香も自分の家に帰って行った。