「「「「いただきます」」」」

やっと、飯が食える。

テーブルいっぱい
いっぱいのおかず達。

卵焼きに青椒肉絲。

胡瓜の酢の物に
茄子のお味噌汁。

煮物にサラダ。

炊き込みご飯。

本当に豪華だ。

下ごしらえは
昨日の内に
全部やったらしい……

流石龍也。

飯を食い終わり、
一時間程経った頃
そろそろ帰ろうと
思い桜香に声をかけた。

「桜香、そろそろ帰ろうぜ」

「そぉだね」

携帯の時計で
時間を確認しながら
桜香が答えた。

「龍也、栢山先生
俺達そろそろ帰る」

「「え!?」」

そんなに驚くことか?

「二人とも、もぉ
帰るんですか?」

「時間も遅いですし、
電車が……」

実はこの町の
電車の終電が十時と
有り得ないくらい早い。

三駅とは言え早く帰るに
越した事はない。

そこで、龍也が
口を開いた。

「私が二人を
送りますから
もぉ少し此処に
居て下さい……」

悲願するような
目をされ
俺は断れないが、
今日は一人じゃない。

「桜香、どぉする?」

「九重先生、家まで
送って頂けるんですか?」

確認しているが
目を見ればわかる。

本当は桜香も居たいらしい。

「はい」

「分かりました
後一時間程は居ます
透もいいでしょう?

「イヤ、良いけど……」

「よかった」

俺たちの返事に嬉しそうだ。

「有難うございます」

少し暗い顔をしていた
龍也が途端に
明るい顔になった。

栢山先生も
心なしか嬉しそうだ。

「ねぇ李雄
月曜日から普通に
してられるかな…」

「桜香…」

心配そうな声で
栢山先生に訊く。

「国光先生の事もあるし
僕、絶対ヤキモチ妬くよ」

「俺だって、桜香は
モテるから心配だ」

バカップルめ。

「そんな事ないよ」

「透と九重先生
協力してくれる?」

当たり前だ。

「任せとけ」

「勿論ですよ」

やっと両想いに
なったんだから
幸福になってほしい。

「九重先生、
桜香で良いです」

つにい、桜香が
我慢できなくなって言った。