「新庄は
しょっちゅう
此処に来てるのか?」

「そぉだな
週一で来てる」

いつの間にか
敬語は外れている。

「毎週金曜か土曜に
居なかったのは
此処に来てたんだ?」

「まぁな……」

「それに、透の
お弁当は
中学生の時から
僕が作ってるんだから♪」

「桜香も料理
出来るのか?」

栢山先生の
二度目の驚き顔。

「失礼だなぁもぉ!!」

「あはは♪
桜香、むきになるなよ」

「何で桜香が
新庄の留守事情
知ってるんだよ」

ただの友人なら
普通は休日の
留守事情なんて
知らないだろ。

「だって僕達
幼稚園から一緒の
幼なじみだもん」

だけど、小さい頃から
一緒の俺たちは違う。

「そぉなのか」

「うん」

「途軒君も
料理出来るんですね」

「九重先生」

いきなり、
声をかけられて
ビクッと肩がはねた。

「何だか、少し
妬けますね……」

「えぇ!?
そこは、妬く
所じゃないですよ……」

「それに、九重先生の
お料理はプロ級だと
透が教えてくれました。
そんなお料理に
僕のお弁当なんて
敵いませんよ(焦)」

慌てる桜香。

「途軒君……」

呼ばれて、
何か閃いた顔をした。

「本当は九重先生が
透のお弁当
作りたいんですよね?」

今度は桜香がニヤリと笑い、
龍也が慌て出した。

「あ、いや……
そぉ言う訳では……」

「さっき、僕に
嫉妬すると言ったのは
そぉ言う意味
じゃないんですか?」

図星をつかれた
龍也は料理を
手に持ったまま
黙ってしまった。

「はぁ~
そぉです……
本当は私が透の
お弁当を作りたいんです」

観念したように
料理を置きながら
龍也が白状した。

「ゃっぱり♪」

何故か、桜香は
勝ち誇った様な
笑顔だった。

「その話は
おしまいにして、
料理運ぶの
手伝って下さい」

無理矢理、
話しを終わらせた。

「分かった。
俺、龍也の
手伝いして来るから
二人はのんびり
しててくれ」

俺が立つと
「僕も手伝うよ?」と
言った桜香を座らせた。

「良いから、
栢山先生と待ってて」

「分かった」