好きな人が
目の前に居る。

しかも、最近は
国光先生の
せいもあって
話すのは疎か
顔だって
まともに見て
無かった為
五分くらい
フリーズしたままだった。

透に肩を叩かれ
現実に戻って来た僕。

「取り合えず
座ろうぜ?」

「そぉですよ、途軒君」

九重先生に促され座る。

「あ、はい」

恐縮しなからも
とりあえず、
座るしかない。

「龍也、茶!!」

「はいはい」

ニコニコしながら
キッチンに向かう
九重先生。

透凄い……

そんな恋人みたいな
会話をしてる二人。

うん? "恋人みたい!?"

「透って、九重先生と
付き合ってるの?」

そうとしか思えない。

「あぁ」

ケロッと言ったよ。

何か力が抜けた……

だから、
九重先生ん家
知ってたんだ。

納得した。

話してると
九重先生が
四人分の
麦茶を持って
戻って来た。

「途軒君どぉぞ」

渡されたお茶を受け取った。

「ありがとうございます。
あの、九重先生」

「何ですか?」

今日最大の疑問を
ぶつけてみた。

「何故、栢山先生も
いらっしゃるんでしょか?」

訊くと、普通に返された。

「私が呼んだからですよ」

栢山先生が
居る理由は
分かっけど、
質問の答えになってない。

何で九重先生は
栢山先生を
呼んだのだろう?

僕が訊きたいのは
九重先生が
呼んだとかじゃなく、
何でわさわざ
僕達を
引き合わせる様な
事をしたかなんだねど……

僕は栢山が好きだ。

会えて
嬉しいのに何処か
納得してない自分が居る。

「透何で
栢山先生が居るの?」

今度は透に訊く。

「それは……」

九重先生は
速答の勢いだったのに
透は言葉に詰まってる。

その時、横から
栢山が話し出した。

「途軒、すまない」

何で栢山先生が謝るの?

「二人にお前を
連れて来て欲しいと
頼んだのは俺なんだ……」

何で?

栢山先生が
僕を呼んだ
理由が分からない。