あなたが好きだった


すると、さっきの男の人が話し掛けてきた。

「消しゴムありがとう!本当にありがとう!」

「ううん。どういたしまして!」


二人とも緊張が解けたのか、敬語でなくなっていた。



「どうだった?テスト」

「全然できなかった!」

「俺も!難しかったね!」

「うん。」

「合格してるといいな!」

「そうだね!」

「一緒の高校に入れるといいね!」

「受かれば同じ学校だよ!」

「ははは。そっか!」

「ふふッ。うん。そうだよ!」

二人で顔を見合わせて笑った。