「見たかマルコ!14年間俺を蝕んできた忌まわしい呪いがいまやっと…やっと解放に向かっている!!
やっと在るべき場所<戦場>に還れたんだ!」
まるで水を得た魚。
帝はふはははは!と高らかに笑いながらジンに向かって剣を向けた。
「レインの剣<ソレ>を使えるとは。なら俺も本気でいかなくちゃな」
「行くぜエブリワン!
蒼氷檻<アイスキャッスル>!」
帝が剣を振ればたちまち氷の壁がジンの周りを囲った。
高さは3mを越す。
そんな氷の山を帝は軽々と足場を見つけて上っていった。
ジャンプ力もついている。
閉じ込めた彼を氷山ごと―…。
「帝さん!」
突然のレインの声に帝は足を止めた。
風など吹いていないが髪型ひらひらとなびいている。
「ふっ、安心しなお嬢さん。
すぐに決着をつけてやるからよ」
「帝さん、危ないですよ!
離れてください!」
「危ない?」
ぽかん、と口を開けて『危ない』展開予想を巡らした。
「ま…まさか」
素早く氷山から飛び降りた帝。
数秒後に蒼い氷山から深紅の炎が吹き出し、山は爆発し砕け散る。
やがてその炎は一頭の狼の形を成して悠然と地面に降り立った。
炎狼<フェンリル>。
魔術によって構成された炎の人形である。


