「俺のこと愛してた?」
そう聞くだけで俺の心は精一杯だった。
「うん…っ。直樹は大切だった。これからは違う形だけど、でもこれからはね!直樹は家族なんだよ…。ずっと大切な存在なの!」
「夏帆…」
「本当に今までありがとう…っ。あなたのこと愛してた。そして私の我が儘で振り回してごめんなさい。こんな私が想えることではないけど…直樹の幸せを心から願ってるから…っ。」
夏帆は声を震わせて泣いていた。
最後まで俺のことを考えて泣いてくれた。
なぁ…それだけでいいじゃん、俺。
夏帆は俺のために泣いてくれた…
それで満足だろ?
なら今度は俺が夏帆の幸せを願う番だ。
「夏帆。いや…義姉さん…。これからもよろしくな」
「直樹…っ」
「ほらほら、主役が泣いてたら兄貴に心配されるよ?」
「うんっ…ありがとうっ…」
あれだけ執着していた夏帆のこと、
今は不思議なほど
落ち着いた気持ちで
応援できてる。
これからも家族として
やっていけそうだって
久しぶりに心が清々しい。
なんでここまで俺の気持ちは変わったのだろう…。

