窓越しに月を見たイクトの 黄色がかった瞳は赤くなっていた。 頷いた私の首筋にいつものように優しく噛みつく。 イクトの牙が私の首筋に小さな穴を二つ開け 私の血を静かに飲んでゆく。 じゅるっ ゴクリ、と音をたてながら。 身体がだんだん熱くなってきた。 甘い痛みに力が抜けてゆく。 まあ支えてもらってるから 倒れる事はないんだけど。 満足したのか口を離し 痕ができた部分を舐めてから 再び顔を合わせた。