馴染みの深い声。 「...ひゃっ」 あっ と思った瞬間に 視界がぐるっと反転し 大きな手のひらに左頬が すっぽり埋まった。 「イクト...」 これじゃ 火照りは冷めるどころか 永遠に紅いままなのではないだろうか。 「何考えてた?」 いつもの薄い微笑みを 貼りつけたイクトの顔がそこにあった。