いつの間にか目の前に来ていた蒼い男の子の細く長い指が濡れた頬を拭う。 「泣いて」 その言葉はまるで魔法。 堰を切ったように流れ出る涙。 「っく…ぁ…」 涙が流れる度、何かが溶け出てくる。 気付けば蒼色の男の子は居なくなっていて、 あたしは声を上げて泣いた。 泣いて、 泣いて、 泣いて…、 やっと空を見上げれば、そこは蒼から朱へ。