夏風ファンタジア



「強くなんかないのにっ……!」


頭いいね、とか

なんで推薦しないの、とか


何も知らないくせに。



そんな小さなことが積り積って、固まった。



出せなくて、詰まって、苦しくなって。



「っ、苦し、んだもんっ…!」



ポタ…


屋上の灰色を黒く染めた雨。



「泣いて」


「っ、」


泣いてないときは『泣かないで』なんて言って、

ホントに泣いてたら『泣いて』なんて。



「…なんなのよぉ……」


──…止まらない。