「…だれ?」 蒼色の髪の男の子。 蒼なんて日本人には絶対似合わないであろう色をものともせず。 爽やかに微笑んでいるその子は、この学校の制服を着ているのに見たことはない。 「泣かないで」 「……泣いてないけど」 泣きたかっただけで。 「泣いてる」 「っ、なんなのよ!!」 初対面なのに思わず声を荒げる。 でも、止まらない。 「やだ…っ」 八つ当たり、だった。