Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~

淡い陽射しが揺れる。
カリフォルニア州に穏やかな朝がきた。

緩やかな一日が始まろうとしている中、一人のお子様がクリーム色のソファーの上で何やら手遊びをしていた。

目の前にはガラスでできた足の脛ぐらいの高さの四角いテーブル。
それにちょっと古い型のテレビが置いてある。
少し高級なシャンデリアが真上にあり、ソファーの右側、ベランダへと続く一番大きい窓からは朝日が入ってきている。
ソファーの背もたれで見えないが、その後ろのダイニングキッチンでは母親のモリーが朝食を作っている。

モリー「サラ」

すぐさまひょっこりソファーから顔を出したのはサラと呼ばれた女の子だった。

幼くふっくらした顔に若さ特有のすべすべな肌。
前髪の鮮やかな金色は実に美しく、ふくらはぎまで伸ばした黒髪はまさに芸術といえる。

大きくつぶらで深いエメラルドの瞳がじっと母親を見つめ、キョトンとした顔は「何?」と主張し、母親の次の言葉を待つ。

モリー「手伝ってちょうだい」

一人遊びに夢中だったのに少しだけ遺恨を残しながらも、サラは元気な声で───。