Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~

ママは死んでなんかいない───。

そんな当たり前のこと。

考える間でもないのに。

なぜか不安を拭いきれない。

くだらない雑念を必死に振り払い、否定しながらサラは電話口の少女に話す。

サラ「嘘……嘘だよね!?ママそこにいるよね!?」

その言葉に、電話口の少女は何故か怒りの感情をわずかにあらわにし、静かな声で警告するように言った。

『そーだ。これだけは言っておいてあげる。
…………貴女だけ……貴女だけ幸せになるなんて許せない』

呪いにも似た言葉が吐き出される。

電話は、そこで途切れた。