お父さんなんて、呼びたくない。
健太をこんな目にしたんだから……。
「オジサンどこ行ったのか、
分からないのか??」
救急車が来るまで、
ダイちゃんには事情を説明していた。
ダイちゃんは
私の話を聞きながら、
健太のことをジッと見ていた。
「私がお父さんの言うことを聞いていれば、
良かったのかな?」と、言った時、
「そんなことない」と言って、
ダイちゃんは頭を撫でてくれた。
だけど、
呼吸器を付けた健太を見ながら、
自分のことを責め続けた。
15分ほどで病院に到着。
救急車の後ろが開かれ、
救急用の入り口から運ばれて行く。
私たちも、追うように走った。
“救急治療室”と書かれた
バックヤードの中に入ると、
赤く光りが点った。
すると、
年配の看護師が
私のところにやって来た。
「お父さんに電話してくれる??
保護者がいないとダメなのよ」
小さく返事をすると、
ダイちゃんは私の肩に手を置いた。
「とりあえずオジサンに電話しよう。
葵と健太だけじゃ……
どうにもならない」
未成年の二人がどう足掻いても、
結局、
保護者がいないと何も始まらない。
お金だって、責任だってないのだ。


