「…意味分かんない…」
なんで私が恐く無いの?
どうして普通に話してくるの?
「何が分かんない?」
ほら…また私に笑顔を向ける。私の言葉一つ一つを聞き逃さずに聞いていてくれる。
「全部…あなたが宇宙人なみに分かんない」
「おいおい!
ひ、ひでぇーな!!」
男の子は苦笑いを浮かべて私に手を差し出す。
「…何……?」
差し出された手を怪訝そうに見ると彼がプッと吹き出した。
「け、警戒しすぎ!!
何もしねーって!あいさつだよあいさつ!」
警戒って………
恥ずかしさと怒りがフツフツと込み上げる。
「さよなら」
冷たくそう言い放ち私は背を向けた。
「ちょ!ごめんって!!
俺、板倉 夏(いたくら なつ)。君と同じ学校の3年生!」
慌てて私を追い掛けてきた男の子はいきなり自己紹介を始めた。


