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『寒かっただろ…』
先程の男の子は濡れてぐしょぐしょになったダンボールを守るように傘を置いた。
『こんくらいしか出来なくてごめんな…』
横たわる白い毛の猫を優しく撫でて男の子はその場を立ち去った。
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「……馬鹿な人………」
死んだ猫に傘をあげた為に自分がびしょびしょになって…
「もう…そこに命はなかったのに…」
どうしてそこまで出来るの?
何の得も無いのに…
「猫…死んでたでしょ?」
私の言葉に彼は目を見開く。
「命無いものにどうして優しく出来るの?」
「何で分かった!?」
彼は信じられ無い、そんな顔で私に詰め寄る。
「…………………」
この人もきっと…私を気味悪がるんだ。
今までの人がそうだったように…


