「………………………」
「…字祢?大丈夫か?」
黙り込むあたしを心配してか、夏があたしの顔の前でヒラヒラと手を振った。
「何でもない……
アンタって本当恥ずかしい…」
「え??」
あたしと出会ってくれてって感謝してる…だなんて…
初めて言われた…
「分からなくていい…
行くんでしょ、憐さんの所」
夏の顔を見てると意識してしまう…
だから夏に背を向けた。
「待って!!字祢ー!!」
どんなに拒絶しても…
ほら、この人は………
離れてていかない……
ねぇ……もう一人のあたし…
信じてみてもいいかな…?
この夏色の日だまりを…


