私の力…
触れたモノの記憶を見て感じる力…
『違いますよ』
憐さんの言葉を夏は否定する。
『字祢の力がじゃなくて、字祢自身が希望なんだ。力も含めて字祢っていう一人の女の子なんだから』
夏の言葉に憐さんは目を見開く。
『板倉君……君が糸雨ちゃんと出会ってくれた事を…俺は本当に感謝するよ』
憐さんは笑顔を浮かべる。
『俺も…字祢が俺と出会ってくれた事…すごく感謝してるんです』
夏は照れ笑いを浮かべた。
『今日から泊まりがけになると思うから、糸雨ちゃんの事、頼んだよ』
『はい!』
そこで記憶が途切れてしまった。


