「違う!!
その力は字祢にとって嫌いたい力かもしれない…
でも、その力は字祢の個性だから…もっと自分を好きになって…字祢」


自分を好きに……?
無理だよ…


私の周りにいた人間は皆私を嫌ったし遠ざけた。


「誰にも好かれず、求められなかった私が…
どうやって自分を好きになればいいの?」


夏の顔が見れずに俯く。


愛された事が無いのに
どうやって愛せばいいの?


「字祢…………」


名前を呼ばれて顔を上げれば、夏の悲しげな瞳とぶつかる。